わきがの手術は痕が残る
一般的にわきがの手術は「剪除法(せんじょほう)」と呼ばれる方法で行われます。脇を切開してアポクリン腺を取り出して除去する方法です。実際にアポクリン腺を見ながら除去するためわきが治療には確実な効果があり、再発もしにくいといえます。さらに、保険適用で手術が受けられるので費用が安いのも魅力です。しかし、脇を4㎝~5㎝程度切るため、当然ながら傷痕が残ります。切開した箇所が色素沈着して目立つこともあるので、術後に手術痕が気になるという人は多いでしょう。
手術痕は時間が経つと目立たなくなる
剪除法の術後2か月~半年は傷口が目立ちます。体質にもよりますが、術後1年くらい経つと半数程度の人は傷が目立たなくなります。脇のしわに沿ってなるべく目立たないように切開するので、人によっては手術したことが全く分からないくらいまで目立たなくなることもあります。また、術後半年以内に「ケナコルト」というホルモン注射を打つことで傷痕を目立たなくすることも可能です。どうしても手術痕が気になる場合は修正手術もできます。ただ、ケロイド体質などは手術痕が残りやすいので注意が必要です。
手術痕が残らない手術もある
わきがの手術には剪除法以外の方法もあります。手術痕を残したくない場合は「ミラドライ」という手術が有効です。マイクロ波を使ってアポクリン腺を破壊するので脇を切開せずに手術を行うことができます。その他、「吸引法」や「クワドラカット法」も、痕が残りにくい手術法です。カニューレという細い吸引器を挿入してアポクリン腺を除去する方法で、脇の切開はカニューレが挿入できる1㎝程度で済むので傷も小さく、早く治ります。実際にアポクリン腺を見ながら除去するわけではないので、取り残しがあったり、再発率が高かったりするデメリットもありますが、傷痕が残りにくいというのは大きなメリットと言えるでしょう。
ただし、これらの傷痕が残りにくい手術は保険が利かないので、20万~30万の費用が必要です。保険適用にて5万円程度で受けられる剪除法に比べるとどうしてもコストがかかってしまいます。手術の痕は、全く気にならないという人もいれば、目に入るたびに気になってしまう人もいるでしょう。せっかくわきがを治しても、傷痕が気になってしまうのは残念なことです。低コストで確実にわきがが治せるとはいえ、手術痕について納得できないのであれば剪除法を受けるのはやめておいた方がよいかもしれません。費用とのバランスを考えて受ける手術の種類を選びましょう。